前回までの私のブログ「標準の作成と定着化について」、「標準化の進め方について」に続き、標準化に関する最後のブログになります。
今回は、標準化における、計画時や標準文書作成時、適用・運用時のポイント・コツを記載します。
大きく以下の3つの分類毎に記載することにしました。
①計画段階
②作成段階
③適用・運用段階
標準化の進め方との関係は以下です。青色部分が、標準化のステップです。
今回記載するポイント・コツは、オレンジ色部分になります。
①計画段階の【5つ】のポイント・コツ
ここは、 これまでのブログ「標準の作成と定着化について」の最後に記載した、 「今後、標準化・標準文書作成を検討するにあたって・・・。」部分も参考にして頂けたらと思います。
また、プロジェクトと同様、きちんと計画書を作成し、関係者と合意した上で進める必要があります。
- 【 ポイント・コツ その1】
標準化もプロジェクトと同様、目的、範囲等を明文化し、標準化の計画書を作成、計画書を基に関係者と合意した上で進める。 - 【 ポイント・コツ その2】
標準文書は、会社、組織で遵守しなければいけないものと、参考文書の位置付けのものとで、内容や用途が変わってくるため、計画時に標準文書の取り扱い方針を明確にする。 - 【 ポイント・コツ その3】
誰のための標準文書であるかが重要。最初に方針を決めて、関係者に周知、合意してから進める。 - 【 ポイント・コツ その4】
ビジネス、業務において、どこの、どの部分の位置付けかを常に意識、明確化し、計画書にも記載し、実施する。 - 【 ポイント・コツ その5】
いつの間にか勝手に作ったと思われ抵抗感をもたれることのないよう、現場を巻き込み、本取組みに参加してもらうよう現場を巻き込んだ体制を検討、計画をする。
これにより、現場からの参加者が標準文書の伝道師となってくれる効果も見込めます。
②作成段階の【5つ】のポイント・コツ
- 【 ポイント・コツ その1】
標準文書のはじめに、標準文書策定の責任者(もしくは経営層)のメッセージを記述し、会社全体の取り組みであることをアピールする。 - 【 ポイント・コツ その2】
プロセスとインプット/アウトプットが明確で、そのフェーズ・タスクで何をやらなければいけないか、どの役割の人がやるか、どういった承認行為があるかが分かるものにする。 - 【 ポイント・コツ その3】
標準文書は、知識や経験の少ない人のレベルに合わせて作成するが、それでも細かい技法や手法まで行き過ぎず、書き過ぎない。 - 【 ポイント・コツ その4】
標準文書はページ数が膨大になると読まれなくなるため、適切な量とする。 - 【 ポイント・コツ その5】
作成する標準文書は、要約版(説明会、上層部用)と詳細版(現場用)に分けると活用しやすい。
③適用・運用段階の【5つ】のポイント・コツ
- 【 ポイント・コツ その1】
本格適用アナウンスや現場への説明会に経営層が参加し、会社全体の取り組みであることをアピールする。 - 【 ポイント・コツ その2】
本格適用アナウンスや現場への説明会では、「どのようなものか」「何をするか」「どのようにするか」といった標準文書の説明だけでなく、「なぜ必要か」「どのようなメリットがあるか」といった動機付けをするための説明を欠かさないようにする。 - 【 ポイント・コツ その3】
定着化するために、教育、啓蒙活動、定着状況の把握をする。
会社の研修カリキュラムに標準文書の教育を組み込むと、認知・啓蒙につながり、転入者も勉強できる。 - 【 ポイント・コツ その4】
標準文書の改善要望の反映や、組織・外部環境(法令等)の変化への対応ができずに実態と乖離して使われなくなるのを防ぐため、標準文書の管理者を明確にし、定期的にブラッシュアップする。 - 【 ポイント・コツ その5】
標準文書はいつでも活用・閲覧できるように会社のポータルサイトに掲載し、バージョンアップ情報もタイムリーに分かるようにする。
今回で標準化は最後です。
以上、3回にわたり記載させて頂きました「標準化」に関する内容は、今回で終わりになります。これはデータマネジメントの標準に限らず、他の標準文書にも共通的に言えることと思います。 標準化を検討・実施する際の参考にして頂ければ幸いです。
蛇足になりすが、標準文書の構成要素をメタモデルとしてER図に表すことも過去実施したことがあります。標準文書に記載すべき構成要素について、議論・明確にするといった観点・方法としても面白く、有意義な取組みでした。
以上
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