今回はデータマネジメントフレームワークについて考えてみたいと思います。初めにDMBOK2のフレームワークを簡単に紹介し、次に新たなフレームワークを検討してみたいと思います。
DMBOK2のデータマネジメント・フレームワーク
DMBOK2の第一章には、いくつかのデータマネジメント・フレークワークが紹介されています。その代表格は右図の「DAMAホイール図」でしょう。
このフレームワークは11個の知識領域をハイレベルで表現しているものですが「異なる知識領域間の関係を記述してない」 という指摘もありました。
その問題に対処し再構築されたものが、左図の「DAMAホイールの発展形」になります 。
この発展形が生まれる経緯や、その他のフレームワークに関してはDMBOK2の第一章に書かれていますので参照してください。
フレームワークで表現できないか?
このいずれのフレームワークも素晴らしいもので、全く否定をするつもりはありませんが、筆者が初めてDMBOKに触れた際に、以下のような感想を持ったものでした。
- DWHやBIは、データマネジメントというより、マネージされたデータを使う側ではないか?
- データ・セキュリティとは言うが、セキュリティはデータだけではなく、もっと広い視点が必要ではないか?
- データマネジメントそのものであるもの、インフラよりのもの、業務よりのものも含まれており、DMBOKはちょっとそのカバー範囲を欲張りすぎているのではないか?
そこで、各データマネジメント領域における以下のような要件をフレームワークで表現できないか、自分なりに(半分お遊びで)考えてみました。
- データマネジメント組織が直接関わるべき領域と、他組織が中心となる領域を区別する
- 業務的要素とインフラ的要素(IT的要素)を区別する
新データマネジメント・フレームワーク検討
初めに、業務組織、IT組織、データマネジメント組織と、大きく3つの組織があると仮定した上でベースを考えてみました。
右図の「各組織のカバー範囲」に示すように、データマネジメント組織がカバーすべき範囲は、業務よりのものからITよりのものまであると考えられます。
次にデータマネジメントに関連する構成要素を洗い出してみました。これはDMBOKの知識領域も参考にしています。
ここに挙げたもので必要十分ではないかもしれませんが、まずはこれをベースとしてみます。
そして、このこれらの構成要素を、 「各組織のカバー範囲」 の図にあてはめていきます。例えば以下のように
- セキュリティは、データマネジメントというより、業務とITにまたがった全体に関わるものなので、一番左に…
- データガバナンスはもちろん一番右に、リファレンスデータは業務よりの話なので上の方に…
これが新データマネジメント・フレームワーク!?
そうして考え出したのが以下のフレームワークとなります。
各構成要素をこのような配置にしたのは、深く考えたものもあれば、やや適当に配置したものもあります。今回は説明は省略させていただきます。
各構成要素の色は、右図のような意味を表しています。上図と右図を一枚にまとめて表現することもできますが、煩雑になりそうなので、今回は一旦見送りました。
DMBOKには「フレームワークは新たな視点を提供する」という主旨のことが書かれていますが、いかがでしょうか?
このフレームワーク自体は大したものではありませんが、今回自分でフレームワークを考えてみて、その意味がわかったような気もしました。
皆さんも色んな視点でフレームワークを検討し直してみるのも良いかもしれませんね。
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