ESGとデータマネジメント

昨今、ESG(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))への取り組みを強化する企業が増えてきています。

今まで、ESGとデータマネジメントはあまりつなげて捉えていなかったのですが、先日、ESGへの取り組みはデータ活用とも言える、という話を耳にする機会があり、認識を新たにしました。ということで、今回はESGとデータマネジメントについて書いてみたいと思います。

まず、ESGへの取り組みが強化されている背景ですが、機関投資家にESG投資という考え方が浸透してきたことがあります。これは、財務情報だけでなく、ESGへの取り組みも考慮した投資の方法で、企業の財務利益とESG活動を相反するものとして捉えていないことが特徴です。ESGに取り組んでいる企業の方が、中長期的な業績が良くなる&リスクが低いという考え方をとっています。

では、こうしたESG投資の際に、投資家はどのようなデータを活用しているのか。ここでは、投資家へのデータ公開の媒体の一つである統合報告書を見てみたいと思います。

統合報告書は、企業が、財務資本だけでなく、知的資本、人間資本、社会関係資本、自然資本といった非財務の資本も含めて、どのように長期的に価値を創造していくかを説明するもので、非財務の指標の例としては、下記のようなものがあります。

CO2排出量
社外取締役比率
女性取締役比率
離職率
、、、

上記はごくごく一部ですが、すぐにデータとしてとれそうなものと、そうでないものがあるのではないでしょうか。さらに、すぐにデータがとれそうな部門とそうでない部門があるかもしれません。

CO2排出量について考えると、物流、工場の生産、拠点の電力消費、グリーン調達など、企業全体で出そうとすると、多くの部門に関連する指標になります。

実態を表す、一貫性のある品質の高いデータを元にすることで、投資家もさることながら、自社の長期的な価値創造のためによりよい意思決定ができるようになるはずです。

部門横断でデータを収集・統合し、品質の高いデータをアウトプットする、、、データマネジメントの知識、技術が多いに役立つのではないかと思います。

最後に、従来、環境に関する活動は、利益とは反するが、企業の責任として実施すべき、という考えが一般的だったと思います。今更ですが、大分様相が変わってきており、良い方に動いているなと感じています。一過性のブームではなく、定着した考え方になっていくことを期待しています。

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