令和2年12月25日に閣議決定された「デジタル・ガバメント実行計画」では、行政機関がデータマネジメントを推進すべきことについて明確に言及されました。
政府関係者の皆さんやCIO補佐官の皆さんに対して、10年以上長きにわたって何度も何度も行政におけるデータマネジメントの必要性を訴え続けてきた私としては、「うれしい」という素直な気持ちと「やっとか」という忸怩たる思いが交錯する複雑な心境です。
実行計画では以下のように記されています。
※「デジタル・ガバメント実行計画」(令和2年12月25日 閣議決定)より該当箇所抜粋
(6)データマネジメントの推進(◎環境省、内閣官房)
4.8.7 行政データ連携の推進
行政データ連携の推進、行政保有データの100%オープン化を効率的・効果的に進めるためには、各府省において保有するデータの全体像を把握し、連携・オープン化するデータの優先付けを行った上で、必要な情報システム・体制を確保し、データの標準化や品質管理等を組織全体で進めていくことが必要である。
そのためには、そうした一連のプロセスを体系的に進めるための戦略を定め、取り組んでいくことが重要である。
環境省では、政府におけるデータマネジメントの試行的な取組が進められており、今年度中に「環境省データマネジメントポリシー(仮称)」を策定し、 2021 年度(令和3年度)以降同ポリシーに基づき行政データ連携の推進や、環境省保有データのオープン化の取組を進める。
こうした取組の実施状況も参考にしつつ、政府におけるデータマネジメントの在り方を検討する。
これまでも「デジタルガバメント基本方針」や「官民データ活用推進基本法」などの公式な取り組みの方針等もあったのですが、「データマネジメントの推進」や「各省庁において保有するデータの全体像の把握」、「データの品質管理」といった表現が入ったのはこれが初めてではないかと思います。
データマネジメントを適切に行い、縦割りの行政サービス統合化により国民の利便性向上や行政事務の非効率の排除のために徹底的にデータを活用していかない限り、日本の国力の低下を招くことは火を見るよりも明らかです。
行政データが各府省、各手続き単位でまったくつながっていないことがコロナによって白日の下にさらされ、様々な不都合や無駄な支出が税金で賄われたことを国民が目の当たりにしました。
今回の「デジタル・ガバメント実行計画」がこの惨状を少しでも改善し、今度こそ、データマネジメントに対して政府が本気で取り組む契機となることを切に願っています。
DAMA日本支部 企画担当理事
JDMC事務局長 兼 理事
株式会社リアライズ 代表取締役社長
大西 浩史
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