BIのマスターはメンテされない!

マスター登録を業務(例えば受注ー出荷ー請求ー入金)のためのマスターと分析のためのマスターに分けて考えてみる。

前者に必要なマスター(製造業では商品、取引先、出荷先、請求先等)の登録を間違えると、誤った商品を誤った場所に出荷し誤った請求先に誤った請求額で請求することになり、修正の遡りで多大な対応が必要となる。誤りが繰り返されれば取引先の信用を失うことにもつながり、誤ったマスターはすぐに修正されるべくフィードバックがかかる。

後者に必要なマスターは分析の観点から新たに付加される商品や取引先などの分類とその属性や、様々な組織で生成されるデータを統合するためのマッピングマスター等がある。しばしば分析のプロジェクトは熱く燃え上がり(この軸でも管理したい!より細かく管理したい!)苦労してマスターを登録し素晴らしいアウトプットを見てうれしくなるが、それは往々にしてその時の担当者の視点に留まっていて、時が経ち担当者が変わり後任のマスター登録が回らなくなりアウトプット実績が他の基準となる資料と合わなくなっていく。

担当者の上司も変わる頃には、実績がおかしいことが話題になり、ベンダーの甘い誘惑に負けて最新のツールは何でも安く・早く・上手くできるように思え、また新たな管理視点を入れた最新のBI導入プロジェクトが立ち上がって行く。

なんてこと、皆さんの周りで起こっていませんか?

分析のためのマスターはメンテされない。どうすれば良いのか?決定打はなさそうだが、いくつかポイントを挙げてみる。

1.マスター登録の業務設計が成されていない。不十分。

誰が、どういうトリガーで、何のマスターを登録するのか、この業務設計がキチンとできているか?突っ走る分析担当者にこの重要性を認識してもらうのが中々大変。

2.管理の目的が組織全体で共有されているか?

管理するデータが生成されるタイミングで同時に分析のための分類が登録されないと後から付与するのは初回はともかくメンテが大変。そのためには管理の目的が組織全体で共有されていることが大事。

3.利用されるコードセット(リファレンスデータ)の標準コード

利用されるコードセットの標準コードが定義され運用されているとマッピングの回数を減らすことができる。標準コード類は後から導入できない。先に合意しておいてデータ生成組織が運用する現地コードの属性として追加していくとか、システム更新の機会をとらえて導入するとかが必要。

結局、できる限り管理対象のデータが生成される上流で管理のためのマスターが登録されないとだめかなぁ・・・。

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